みなさんは「アカモク」という食べ物をご存知でしょうか?海藻の一種で、静岡県内の海にも広く自生していますが「海の厄介者」とされていました。そのアカモク、実は栄養がとても豊富で、おいしく食べられる「スーパーフード」として、いま、注目されています。
静岡市駿河区の用宗海岸で収穫された海藻、これがアカモクです。2020年から県内でも収穫が始まりました。どのように生えているのか、海底から海面まで伸びて浮いています。この日は漁師たちがゴムボートを使い、波消しブロックの近くに生えるアカモクを手作業で収穫していきました。
<清水漁協用宗支所 青壮年部 石田副部長>「昔から生えてはいたが、これが食べられるとはみんな思ってなくて。シラスの網にかかってくる、そういう厄介なものだった」
アカモクはもともと、船のスクリューやカキの養殖施設に絡みつく厄介者。用宗ではシラス漁の網に紛れ込むなど漁師たちを悩ませていました。しかし近年、アカモクに含まれる成分が免疫力の向上や脂肪燃焼の助けになるとして注目され、いまや「スーパーフード」として全国的に人気が高まっているのです。
<サリーズカフェ 仁科斉店長>「やわらかいところをボイルしたら、このようにきれいな緑色に変色するので、これを包丁で細かくカットします」
海岸から程近いこちらのカフェでは、用宗産のアカモクを使った料理を提供しています。こちらは、アカモクしらすコロッケ。女性を中心に大人気のメニューだそうです。
<植田麻瑚記者>「アカモクのネバネバ感とシャキシャキ感がくせになりますね。海藻特有の臭みも全然ないですし、衣との相性も抜群なので、子どもから大人までおいしく食べられそうです」
収穫時期は3月頃から4月頃までと限られているため、アカモクの料理はなくなり次第終了となります。用宗漁港ではシラスの漁獲量が年々減少していることから「アカモク」を静岡の新たな産業にしようと漁協や飲食店が協力してアカモクを使った料理を地域をあげて売り出しています。
<サリーズカフェ 仁科斉店長>「サクラエビも駿河湾ではなかなか不漁になっているということで、漁師の新しい収入源として、地域の新しい産業として、このアカモクを利用して新たな静岡発の名物として世に出していきたい」
この日収穫されたアカモクは、トラックに積まれ、出荷されました。
<GOLD BLUE 川崎匠社長>「30年位前から生えてはいたらしいが、誰も特に気にせず、ずっとほったからしだったものが利用できるとわかったのが、ここ1〜2年だったので。これからこれを産業にできたらいいなと思っている」
「厄介者」から「健康食材」に、そして「スーパーフード」へ。静岡の新たな名産品にとアカモクへの期待が高まっています。
#オレンジ6 3月16日放送